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えーと、初めまして。M2gk中山です。
今回の内容は最近個人的に興味がある事柄についてです。
先日ネット上で、茶封筒を欧米人は「a pink envelope」と表現することがあるという一文を見て色の捉え方について興味が湧きました。
話の始め方的に茶色とかピンクの話をするのがベターなんでしょうがネタがそんなにないので、一般的に服飾っぽい色=黒ということで服飾研究会らしく黒について書きたいと思います。
黒という色は幅広く、例えば不謹慎ですが、通夜の場で集まった礼服を着た方々を見たとき同じ黒でも黒の深さの違いが簡単に判ると思います。
この違いは主に素材や織りが理由なのですが、黒の深さについて遡ると、故意的に黒に深さの違いを見出したのは確か日本では江戸時代からであり、反物を黒染めする前に藍色だったり紅色で染めてから黒染めをすることによって黒に深みをもたせていました。下地に藍は藍下、紅は紅下と呼ばれ、双方に特徴があります。江戸時代では藍下がポピュラーだったようです。
これは結構有名な話ですが、黒沢明監督は自身の映画の黒い衣装は紅の上に黒を乗せたものを用い、それとは対照的に先日亡くなられたアンゲロプロス監督は藍に黒を乗せた衣装を好んで使ったそうです。
双方に特徴があると述べましたが、映画においては紅下の黒は人物を引き立たせ、藍下の黒は風景に溶け込みやすいそうです。
江戸時代の日本では藍下の黒がポピュラーであった事実、風景に溶け込みやすく目立たないという藍下の黒は日本人的思考(嗜好)に適った黒であるように思います。
黒沢監督は東洋から、アンゲロプロス監督は西洋から逸脱した感覚(語弊があるかもしれませんが)を持っており、反転してしまったのではないかと。都合いい解釈ですみません。笑。
3月13日のショーでは2回生はleavesという色の変化に重きを置いたテーマを設定しており、染色や生地の切り替えしによる色の対比等、様々な色彩を用いた作品群となっています。観覧の際はその辺りに注目していただき、色について考えながら見ていただけたらと思います。
最初に述べた茶封筒を「a pink envelope」と表現することの理由ですが、実は、薄茶色とピンクは似ているからという超単純なものです。
散文失礼致しました。